美大合格のデッサン力をつかむ
大事なデッサンのコツ その2

ことあるごとに遠目で見る!

全体感は初期印象

段取りよく描き進めていくために必要なことは、『全体』をこまめに気にかけるということです。

予備校では『全体感』という言葉で聞くことがあるでしょう。全体感とは、描いた画面にまとまりがあるか?ということを意味します。

全体感のない例としては、ある部分が他の部分に比べて極端に描き込まれていなかったり、モチーフごとに光のコントラストがバラバラだったり。

「全体感がない」とはまさにこのことです。

全体感のない例

一見よさそう? いえ、比べるとだいぶ違います

部分だけのコントラストに気をとられて全体の色や明度がバラバラになっていますね。

腕の色も左右で違う色に見えますし、着ているTシャツがどんな色かも分かりません。

描いている間も部分と全体を比較しないとこの事態は割と簡単に起こります。

全体感がないと、作品の初期印象が悪くなってしまいます。

まとまりのない画面で初期印象が悪ければ、描き込みが良くても評価はイマイチです。

全体チェックを習慣にする

では全体感を出すにはどうすればいいのか?

画面を描いているどんなときも、ことあるごとに全体をチェックするのです。

ベースを乗せているときには、全体の明暗がバラバラになっていないか?黒くなりすぎているところはないか?

描き込みも、1つの部分に執着しすぎてないか?他の部分をほったらかしにしてないか?と気にかけてみます。

一呼吸おくついでに画面を見渡しましょう。

ではどうやって全体をチェックするのか?

全体を見るときのコツは、『遠目で見る』『うす目で見る』です。

意識するのは「今一番描いているところと比べて、他の部分はついてきているか?」部分と全体を比較するのです。これが全体感を保ちます。

 

主要なものだけが遠目で見える

「遠目で見ること」は、これからデッサンの作品のレベルや完成度を上げていくために、頻繁に使うことになると思います。

ちょっと駅のホームを想像して下さい。

電車を待っているあなたと、向かいのホームで電車を待つ人たち。

どれだけ細かく見えますか?

 

向かい側にいる男性、スーツか私服か若そうかなど、おおまかには分かりますが、細かい部分、「ネクタイの柄」、「二重か奥二重なのか」そこまでは見えませんね。

遠目では二重かはわからない

つまり遠くにあるものは簡略化され、主要な部分だけが残るのです。

デッサンでは、これを利用して作品が簡略化されたときにどう見えるのか、「自分の見せたい部分が出ているか」を確かめます。これが「遠目で見る」の根幹です。

離れると小さく見えるので、全体(感)が分かりやすくなります。

近目で1本の木でも、離れれば森であること、もっと離れれば山であることが分かってきます。

全体の明度がどのようになっているか、画面の中で描きが足りない部分はどこか、作品のバランスが崩れているところはどこなのか?

森や山を見るのと同じように、画面に描かれたものを1つのカタマリとして捉えてみましょう。

自分のパネルを離して見て「1つのカタマリとしての自分の画面からは、何が一番残っているか?・強く見えるか?」そんなふうに問いかけてみて下さい。

一番主張している部分がわかれば、描きの足りない部分はそれ以外の場所です。見せたい部分なのに遠目だと印象が薄い…なんて事態とは、もうサヨナラです。自分の画面と向き合って、完成に近づけていって下さい。

全体が見える距離

さて、実際にどこまで離れたらいいのでしょう。

全体が見える距離、というのは、「両手を伸ばして円を作ったときの大きさ」になります。

これは人がものを見るときに集中して見ることのできるおおよその範囲です。

したがって、そのなかにモチーフや自分の画面が収まるような距離が、全体が(集中して)見える距離となるのですね。

 

遠くから画面を見ることに慣れていくと、「全体を見るってこんなことなのか」とわかってきます。

すると、ちょっとの距離さえあれば画面の全体感をチェックできるようになるのです。

いつでも遠目で見る

なので、予備校では離れて見まくって下さい。

離れられる環境なら、存分に離れて下さい!

※実際の試験では席を立つことを禁止している大学もあります。 その場合、離れて見るといってもせいぜい体を後ろに倒すことくらいしかできません

試験でも遠目で見る

近目で作業していると画面は崩れやすいので、最初はできる限り、1cmでも2cmでも距離をおいて画面を見るようにして下さいね。

遠目で見るときには、うす目で見ることも効果的ですので、合わせてやってみて下さいね。

「遠目」と「うす目」で見てみよう

場所ごとにバラバラ

またまた登場。その2の例として出てきましたね。せっかくなんで、離れて見てみましょう。

この2人、それぞれ何が強く見えますか?

ではまず右の子。

私はまずTシャツのシワが目につきます。それに首の黒い影、黒い右腕も驚きですw

次に左の子。

ピースサインがまず映ります。次に顔。胴体。後方の右の手。 そんな順番で強く見えましたが、あなたはどうですか?

ここで言いたいのはただ1つ。遠くから見ると、「なにかがオカシイな」ってすぐ分かる。ということ。

離れて見ると、周りとの比較がとてもしやすいですよね!「この子のTシャツ白じゃんか」と思えば、すぐに周りと比較して色の違いがわかるはずです。

 

まとめ

  • 画面を描いているどんなときも、
    「遠目で見て」
    全体を逐一チェックする。

ある程度描いたと思ったら、モチーフのベースを一通り塗りおえたら、席を立って遠くから画面を見てみましょう。きっとその先どこから手をつければ良いかが分かってくるはずです。

さあ、進んでいきましょう!